言ってやればよかったと思うことが、思い浮かぶときがある。
「PC-8801FAにはカセットインターフェイスがついてないんだよ。その方法でN-BASICを立ち上げると、loadもsaveもできないんだよ」「カセットインターフェイスを買えばいいというのはなしだ」「ほんとうにはらたつな」「おまえがまちがっているのに、えらそうなことを言うな」と言ってやりたかった。これ、ほんとう、「カセットインターフェイスを買えばいい」と言われたら、切れちゃうところなんだよな。俺がまちがっているように言いやがって。ほんとうに、頭にくる。
これも、何回かあるな。もう一度会いたい。会って、言ってやりたい。そいつがまちがっているだけなんだよ。FAにカセットインターフェイスがついているから、N-BASICをたちあげたとき、なんでもできると思っているんだよね。スイッチを切ったらおしまいなんだよ。そいつが知らないだけ。
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会いたいなぁ。言わなかった理由もいくつかある。あるんだよ。これが複雑なんだけどさ。これ、おカネに関するコンプレックスの話なのである。いろいろとへんな気持をかかえることになるな。そして、くそボンボンとの対立がある。あいつ、生きてないかな？ 言ってやりたい。「なんでもできる」と言ったって、電源を切ったら、すべてがなくなってしまうのだから、意味がないだろ。「おまえが知らないだけ」「おまえがまちがっている」「おまえが、わかってないだけ」と言ってやりたい。あいつに会いたい。中古のカセットインターフェイスを買う金がなかったのぉ。けど、それを言いたくなかったんだよ。くそボンボン。くそボンボン。くそボンボン。
あー、くそボンボンに会いたい。いまからでも言ってやりたい。これ、俺がその技について知らないと思っているんだよな。そして、カセットインターフェイスがついてないということを知らないから、なんでもできると思っている。よけいなことを考えないで、言ってやればよかった。よけいなことというのは「それなら、カセットインターフェイスを買えばいい」と言われることだ。これ、言われたら、頭にきて、なぐってる。なぐっている。なぐるのをさけるために、言わなかった。言おうと思ったけど、言わなかった。「それなら、カセットインターフェイスを買えばいい」と言いそうなんだよな。言われたら、怒りをおさえる自信がない。なぐってる。だから、そういう連想をしなければ、言えたんだよな。
あいつ、まだ、生きているかな？
生きていたら、言ってやりたいので、会いたい。誤解をときたい。
