じゃあ、なにか楽しいことがあるのかというと、ないのである。かゆみを抱えながらも、かゆみを忘れられるような、楽しいことがあるかというと、ないのである。
なにかおもしろい人たちと、おもしろいことをやる……そんなのは、ない。ナッシング。
一か所も、かゆいところがないようにしたかったのだけど、どれだけ、頻繁にサンダルや服を買い替えても、無理だ。もう、そういう状態になっている。畳をかえて、すべてのものを捨てて、何回か、バルサンを家全体にかければ、なんとかなる。けど、それも、あやしいんだよな。もし、ネズミが入れるところが一か所でもあって、ネズミが、そのあとに、入ってしまったら、また、おなじことをしなければならなくなる。ともかく、無理なんだよ。だから、部屋をくさくしないでくれと親父に言ったのに、「におわないよぉ」「におわないよぉ」「におわないよぉ」と基本的な事実を否定する発言をして、絶対に、酒粕のついた魚の切り身を、テーブルの上にのせていたのである。でっ、ネズミが入ってきたら入ってきたで、親父が「俺が捕まえるからいい!!」と言って、俺にネズミ対策工事をさせてくれなかったのである。どっちも、親父が原因をつくっている。しかも、普通の人は、そんなことをしない。狂っている。だから、俺が、誤解をされるの……。そして、俺が「きたなくしている人」「ダニを気にしない人だ」と思われてしまうのである。俺がフロントに立って、いろいろとやらなければならない状態になると、そうなる。