たとえば、「10ブロックに生まれた人は、10ブロックに生まれたのだから、前世でいいことをしたにちがいがない」とか「ゼロブロックに生まれた人は、ゼロブロックに生まれたのだから、前世でわるいことをしたにちがいがない」とかという考えがはびこっている。
これは、完全なまちがいだ。
むしろ、10ブロックに生まれた人は、悪魔の直系なのである。悪魔に近い人間だから、10ブロックに生まれた。前世で、徳をつんだから10ブロックに生まれたわけではないのだ。
そして、ゼロブロックに生まれた人は、前世で、悪行をかさねたから、ゼロブロックに生まれたわけではないだ。
宗教的な人、精神世界の人は、完全にまちがっている。
そして、じつは、こういうことを言うことで、悪魔に奉仕をしている。悪魔に味方をして、善人をくるしめている。
カルマ論は、完全にまちがっている。
カースト制度も、あってはならないものだ。
日本には、現在、カースト制度のようなものは、制度としては成り立ってない。しかし、生まれた環境のちがいはある。そして、生まれた環境のちがいが、人生に大きな影響をあたえるのだ。
環境というのは、『条件』の集まりなんだよ。
無数の条件があつまって、環境をつくっている。この環境のちがいは、疑似的なカース制度を形成している。疑似的なので、真っ向から批判するようなことができないという意味で、やっかいだ。
無数の条件の差を無視して、あーーだ、こーーだと言っているのである。無数の条件を差を無視して「努力をすればいい」「明るいことを考えればいい」「勝つと思えば、だいたい勝てる」と言っているのだ。
しかし、現実世界では、無数の条件が存在していて、無数の条件のうち、一番影響をあたえるものや、二番目に影響をあたえるものや、三番目に影響をあたえるものの影響を、強く受けてしまう。まあ、四番目や、5番目もあるのだけど、ともかく、現実世界のなかの、重要な条件の影響をうけてしまう。
「明るいことを考える」だけで、重要な条件の影響をつくがえせるかというと、くつがえせない。ところが、精神世界の人は、「くつがえせる」と思っているのだ。
そして、条件が悪い人にむかって、「くつがえせばいいんだ」ということを言うわけである。くつがえす方法は、「明るいことを考えること」なのだ。あるいは、「明るいことを言うこと」なのだ。あるいは、「努力をすること」なのだ。
しかし、重要な条件は、いまの状態に、重要な影響をあたえている。
これらのことでは、くつがえそないことが多い。
「努力をする」ということですら、条件の影響をうける。現実の条件の影響をうける。現実の条件というのは、無意識的にであれ、意識的にであれ、本人が、一番よく知っている。
問題なのは、「明るいことを考えてくつがえせばいい」「明るいことを言ってくつがえせばいい」「努力をしてくつがえせばいい」と言っている人が、相手の条件をガン無視することだ。