たとえば、「統計データに基づいて科学的に、議論するべきだ」ということについて考えてみよう。この考え方は、統計データが正しいという前提がある場合のみ、正しい。
統計データが正しいか正しくないかということは、ひとつ「うえ」の思考だから、そもそも、ひとつ「うえ」の思考が欠落している人は「正しいに決まっている」と考えて、まちがった結論に到達してしまうのである。
統計データが正しいという前提は、正しいのかどうかということについても、考えなければならないのである。そして、統計データが正しくないという場合についても考えなければならないのである。
ひとつ「うえ」の思考と書いたけど、メタ思考ということを考えるなら、ひとつ「した」の思考なのである。けど、言っていることはおなじだ。
* * *
いまの時代、「エビデンス、エビデンス」と言っているやつは、科学的ではない。ぜーーんぜん、科学というものがわかってない。科学的ということについても、勘違いしている。