2024年10月25日金曜日

「かりに条件があるにしろ、そんなのは、たいしたことじゃない」


アニメの世界では、とても条件が悪い主人公が、条件が悪いにもかかわらず、勝ち続けている。

けど、現実世界では、条件が悪い人が、勝つなんてことはない。条件にもさまざまなものがあるけど、強固な条件というものがある。

それは、複数ある。なので、複数の強固な条件が、結果を決めてしまうところがある。というか、結果を、完全に、決める。

だから、どうあがいても、複数の、強固な悪条件がかさなると、複数の、強固な悪条件がかさなっている人は勝てない。

だから、アニメの世界で憂さを晴らすのだ。

複数の、強固な悪条件がかさなっているにもかかわらず、勝ち続ける主人公に、自分をかさねて、アニメを見るということになる。

けど、それは、アニメのなかの話だ。現実じゃない。

条件が悪いと、現実の世界では、どうすることもできない。

普通の人が、「社会に出たら、実力だ」というようなことを言ったり、「努力でどうにかなる」というようなことを言ったり、「言霊は絶対だ」というようなことを言ったりする。「明るいことを考えれば、明るいことが起こる」というようなことを言ったり、「いいことを引き寄せればいいんだ」というようなことを言う。

けど、条件の差は、強烈な力をもっている。10ブロックの人と、1ブロックの人が勝負をしているようなものだ。10ブロックに生まれたという条件が、重要。1ブロックに生まれたという条件が、重要。無情な条件の差こそが、結果をつくる。

こういう世界に生きている。

だからこそ、アニメや漫画やドラマの世界で、悪条件をものともせず、勝ちあがる主人公がいる。その主人公に、自己をかさねて、アニメやドラマを見て、マンガを読む。

そうすると、一時的には……ストレスが解消できる。

けど、そんなことをどれだけやったって、現実の条件をかえられるわけではない。現実の条件にやられたまま、人生が終わる。

そんな感じで生きている。

*     *     *

問題なのは、 「努力でどうにかなる」「言霊は絶対だ」「明るいことを考えれば、明るいことが起こる」「いいことを引き寄せればいいんだ」という条件を無視した言葉がうえから、ふってくるということだ。

ようするに、システム設計者がそういうアホな言葉をはやらせている。

現実世界で、そういうことを言う人たちは、自分で考えてそういうことを言っているようなつもりになっているけど、じつは、システム設計者が、しこんだことだ。

システム設計者が、そういうことを言う人たち……努力論者、言霊主義者、思霊主義者、引き寄せ論者を「育成」している。

そして、システム設計者が、アニメや漫画やドラマをつくる人たちを「育成」している。

そうすると、『条件無視王国』が成り立つ。最初から、条件を無視して考える思考スタイルが発生する。「かりに条件があるにしろ、そんなのは、たいした影響をあたえない」という条件を軽視した思考スタイルが発生する。

最初こそ、「たいした影響をあたえない」と言っているけど、すぐに、「だから、関係がない」と言って、完全に無視しはじめる。

けっきょく、「かりに条件があるにしろ、そんなのは、たいしたことじゃない」と条件の影響を無視して、なにごとかを言う。

そのなにがとかというのは、最初から、条件を無視したものなのである。

いつも読んでくださるかたに感謝しております



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