ほんとーーに、つまんない。じつは、トイレにまた殺虫剤をまいたのだけど、殺虫剤をまく前に、サンポールをどかそうと思った。しかし、サンポールはたしか、前回、殺虫剤をまいたときも、そこに置いてあったはずだ。ようするに、もう、殺虫剤がかかっている。けど、手袋をしてないほうの手でさわってしまった。手袋をしているほうの手には、殺虫剤の缶を持っている。これも、実は置くところがない。ともかく、なんか、よく考えないでサンポールをさわってしまった。
それで、入りたくはなかったけど、風呂に入った。風呂と言っても、シャワーをバスタブのなかで浴びるという風呂だ。座ったときに、腰ぐらいの高さまではお湯がきた。風呂も、じつは警戒区域にあるので、ダニに刺される可能性がある。足首ではないけど、ダニに刺されたところがふたたびかゆくなるということがあるので、新しく刺されたとしても、あんまりわからない。けど、かゆくなる。いまもちょっと、かゆい。
今日、バルサンをたくはずだったけど、まあ、たけない状態だ。
ジュースが飲みたくてしかたがないけど、買い物に行くつもりがないので、こまっている。正直言って、外に出たくない。ともかく、さんざん、殺虫剤をまいたので、じつは、壁にふれたりすると、殺虫剤がふれたところにつくということになっている。まったく好ましくないことだ。
中古マンションを早く買わないとやばいと思う。けど、これがまた、もう、動きたくないのだ。
そして、いやな記憶がいろいろとよみがえる。そのとき、気がつかなかったことまで、思い出してしまう。記憶のなかで、むすびつくんだよ。あれは、ああだったんだなということがわかる。まるで俺はもう、まるまるにいるみたいだな。
俺が他人に迷惑をかけた記憶もつらい。小さくてもつらい。どれだけ小さくてもつらい。長期騒音で意識水準がさがっていると、不可抗力的に失敗してしまうことがある。
ともかく、俺は普通の人とちがうみたいだ。こんなに細かい、何十年も前の記憶たちが、何回も何回も浮かんでくるなんておかしい。
