それから、じつは「推論」の問題があるんですよーー。一般人もそうなのだけど、とくに、精神世界の人には推論の問題がある。
まあ、いいか。
これ、けっこう説明がめんどうなんだよね。
うーーん。簡単に言っておくか。
うーーん。たとえば、フラットアース理論は否定できるわけ。それは、物理現象にかかわることだからだ。妄想や単なる考え方に関しては、完全には否定できないというところがある。
たとえば、「じつは支配者層の人は人間ではなくて、レプなんだ」というような話は完全には否定できない。
それは、可能性だけはあることだからだ。可能性だけは否定できないのである。
どんなばかげた話でも、可能性だけは否定できない話というのがある。
仮説としては、成り立つわけだ。完全に否定することはできないという状態のままになる。100%否定することはできないということ。100%の確率で偽であると断言することはできないという意味。
まあ、たとえば、ヒラリー・クリントンの遺伝子をぼくが調べて、「たしかに人間である」と言うことができれば、完全に否定することができる。
しかし、ぼくにはそんな権限がない。そういう装置をもってない。だから、ヒラリー・クリントンが、人間ではなくて、レプだという仮説は、完全には否定することはできない。
けど、100%否定することができないとしても、ぼくは、ヒラリー・クリントンは人間のからだをもっているだろうと思う。
たぶん、ヒラリー・クリントンはレプではなくて、人間のからだをもっていると思うけど、それを証明することはできない。まあ、信用できる機関が調べて、公表してくれればいいんだけどさーー。
けど、じゃあ……「信用できる機関」ってなんなんですかという問題を、今回、突き付けられたわけ。ぼくだけじゃなくて、人類全体が、突き付けられたわけ。わかる?
で、問題なのは、「可能性は否定できない」ということを言うと、精神世界の人は「肯定された」と思うということなんだよ。ヒラリー・クリントンがレプである可能性は否定できない……ということは、ヒラリー・クリントンがレプでない可能性を否定してない。
たとえば、Aさんが「ヒラリー・クリントンがレプである可能性は否定できない」と言ったとする。その場合、Bさんが「Aさんは、ヒラリー・クリントンがレプであると言った」と誤解をしてしまう場合がある。精神世界の人や自称5次元人は、そういう誤解をする傾向が強い。まるで、わかってない。これ、やっかいなのだよ。
もうひとつ、言っておこう。たとえば、「因果関係は証明できないから、関係はない」と言うことができるかどうかだ。答えは、できない。ところが、「因果関係が証明できないなら、因果関係はないんだ」と思ってしまう一般人が多かった。
相関関係はあるんだよ。
けど、因果関係は証明できない。
あるとも言えないし、ないとも言えない。
ところが、「あると言えない」ということに注目して、「ない」ことにしてしまう。これは、まちがっている。けど、そういうことをしてしまう人が多いんだよ。
これ、推論の問題なんだよ。これ、ものすごくでかい問題をはらんでいる。
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因果関係があると言い切るには、調べなければならない。たとえば、死んだ人の臓器に、どの程度、m-RNAによって産生されたスパイクたんぱく質やプリオンたんぱく質が含まれているかを調べなければならない。ところが、調べさせてくれないのである。だから、調べることができないうちは、「因果関係があるとも言えない」ということになる。けど、それは、「因果関係がない」ということではないわけ。