まあ、けっきょく、引っ越してしまえばよいのだけど、めんどうくさい。このめんどくささがわかるだろうか。もう、普通の人じゃないからね。普通の人だったら、楽しい引っ越しだってできる。けど、ぼくはもう、コアが壊れている。手続き事項を考えただけで、頭がパンクする。「めんどうだなぁ」と思ってしまう。
なんか、防衛ができてない感じはするんだよ。親父の入院騒動とネズミ騒動で、最後のエネルギーを持っていかれた。 ネズミ騒動は親父が関係している。親父が入院しなければ、親父の部屋にある押し入れの床がぬけていることに対処できなかった。けど、何十年もあそこは、あんな状態だったのに、親父が酒糟のついた魚を一日中テーブルの上に出すということをしなければ、ネズミはこなかった。ほんとうに、一匹もこなかった。親父が「俺が捕まえるからいい」とがんばっていた期間中、ずっと、ネズミの小便が壁や床に放たれるということが続いた。そりゃ、一日目より四年と一日目のほうが、においがついているでしょ。ネズミのくそもおなじ。親父がいる間、掃除ができなかった。まあ、掃除をしても、次々に侵入されて、新しいくそがおちている状態だから、精根尽きるんだけどな。（〇にたくなるんだけどな。まあ、この〇にたくなるというのは、ファッションで使っている言葉さ）。俺がどれだけ、ネズミの糞を掃除したか。排除したか。そのたびに、新しいネズミの糞がおちているんだぞ。侵入を完全に防いでからじゃないと、意味がない。それに、うちは、掃除がしにくいのだ。親父が置いた「箱」がいっぱいある。これが、ネズミの糞ということを考えなければ、たいしたものじゃないのだけど、ネズミの糞ということを考えると、問題なのだ。これ、ほんとうにやっかいなんだよな。入っているものがお菓子とか、いらないものなのだけど、掃除ができない。ネズミの糞が入っている箱の中に入っているもの……。これ、ばい菌がついているから普通に捨てていいのかどうかまよう。捨ててはいけないと思うとするだろ。そうすると、たとえば、ビニール袋に入れてから捨てるというようなことをしなければならなくなる。
