ちょっとその気になって、下の部屋に掃除機をかけたんだけど、腕をダニに刺された。せーだいに、刺された。何個刺されたんだろう。あーー。もう、いやだな。やっぱり、あの掃除機はだめなのか。掃除機と言ってもミニ掃除機みたいなものなのだけど、あれを、５０度ぐらいのお湯につけっぱなしにするかな。もちろん、防水の袋に入れて。腕が……。やっぱりな。
へこむーー。やっぱり、あの部屋はだめなんだな。
そして、殺虫剤のガス抜きがなかなかおわらない。腹が立った。どうして俺がこんなことをしなければならいのか。きちがい親父がネズミをいれなかったら、こんなことになってない。きちがい親父が、ネズミ対策工事に賛成してくれたらこんなことになってない。あらゆる常識がつたわらないんだよな。「こうなる」と言っているのに……。「このまま工事をしないと、こうなる」と言っているのに……。「餌として、魚を２３時間、出しっぱなしにするとこうなる」と言っているのに…… 。きちがい的な意地で否定して、きちがい的な頑固さで、自分のやり方にこだわる。こまるんだよ。
けっきょく、親父がいなくなった後も、こまっているんじゃないか。これ、どれだけたいへんか。もう、全部で何百か所、さされたか。数千？ いや、数千はいかないか。ともかく、きちがい親父がネズミを入れて、餌付けをして……ダニが発生して、たいへんなことになっているんだよな。なったんだよな。あれだけ、ネズミの糞がおちていると、掃除機以外にないんだよな。どのみち、くっつけてとるやり方だと、顔がネズミの糞に近くなる。ゴミばさみみたいなものを使って、くっつけるというのが、また、たいへんなんだよ。うまくはいかない。
いま、着ていた服を、全部６０度のお湯につけている。昨日も、じつは同じようなことをやった。けど、それですら、一回の掃除や、一階の掃除で、だめになる。何本、殺虫剤を使ったか。これ、やっぱり、引っ越さないとだめだな。しかし、これが、いざ引っ越すとなると、俺の体力ではどうにもならないところがある。きちがい親父の入退院と、ネズミ対策工事、ダニ処理で、消耗した。
ほこりが全部、だめになっているからな。ダニがいなければ、ただ単にほこりを掃除機ですって処理するだけなのに、それが……。また、ダニを退治するために、たとえば、バルサンみたいなものをたくと、本がダメになる。イメージ的にダメになる。
ワクチンのことばかり考えていてはだめだと、掃除をやったら、これだよ。右腕をやられた。これ、ぽちぽちで肌がきたなくなるのが、もっっっっっののっっっすごく、いやなんだよ。まあ、腕だから今回は、ともかく、顔をやられると、何か月も落ち込む。
