2024年3月10日日曜日

生産性があがったのに、労働時間が長くなってしまう

 一般に、便利になればなるほど、タイムパフォーマンスは向上するはずだ。

たとえば、洗濯というものについて考えてみよう。

手で、洗濯をする場合は、ずっと、作業をしていなければならない。

けど、洗濯機を使うとどうだろう?

洗濯機を使った場合は、洗濯物を入れてスイッチを入れるだけで、いちおう洗濯が終了する。なので、洗濯物を入れて、スイッチを入れて、洗濯物を回収するということだけで、洗濯が終了するのだから、時間はかからない。

「全自動」という言葉がある。

どこからどこまでやってくれれば「全自動」なのか?

コマーシャルする人が、コマーシャルをしやすいように決めている。

まあ、たとえば、「全自動なら、かわかして、折りたたんで出してくれ」とか言う人が出てくる。洗濯をするといった場合、洗濯槽に水と洗剤を入れて、洗濯槽をまわしたあと、あるいは、左右に振ったあと、今度は水だけで、すすぎ洗いをして、脱水をするということが、含まれる。

さらに、脱水しただけでは、かわかないので、洗濯物を乾燥させる必要がある。まあ、ここで、選択肢がわかれることになる。太陽光線で乾かすのがいいのか、乾燥器、あるいは、乾燥機能で乾燥させるのがいいのか?

まあ、細かいところで、どういう作業が必要になるのかということは、ちがうのだけど、機械にやらせたほうが、人間の作業時間は減る傾向にある。

便利になれば、作業時間は減るのである。

便利になればなるほど、作業時間は短くなるはずなのである。

ところが、機械の性能があがって、人間の作業時間は短くなっているはずなのに、さらに、タイムパフォーマンスが追求されるようになった。人間の作業時間は短くなっているのに、タイムパフォーマンスを求める人間が増えた。

どういうことかというと、「仕事」ということがかかわっている。

仕事というのは、だいたい、外でやる仕事のことを、意味している。うちのなかでやる仕事ではなくて、どこか、ちがう場所に行って、やる仕事のことだ。社員として働いたり、公務員として働く場合の、仕事のことだ。通勤が必要になる仕事のことだ。

機械の登場で、人間の生活は便利になり、作業時間を短くすることが可能なのに、逆に、通勤が必要な仕事をする時間が長くなってしまったので、より、パフォーマンスが求められることになってしまったのだ。

手短に言うと、こういう問題について考えるということは、市場経済社会、資本、労働、生産、消費ということについて考えるということになる。

それぞれのことについてのべるだけでも、べらぼーーな、時間が必要になる。

これ、けっこう、説明することがむずかしいことなのである。

まあ、未来予想なんだけど、ともかく、「信用創造」がなくなって、いままでのありかたが、かわるようになる。これからは、ちょっと、いろいろとちがってくる。

これ、けっこう複雑なんだよ。「市場経済」ということについて、語るだけで、けっこう時間が必要になる。

さらに、ほかの人は信じない……「資本」の話をしなければならなくなる。

いまのままなら、この問題は、解決しない。

けど、いろいろとあって、解決する方向に、動きだす。未来予想になってしまうんだけどね……。

*     *     *

ある工場では、ある製品を、1日に100個、生産できるとする。その工場では、10人の労働者が、1日に8時間働いているとする。

ある製品を生産する機械(生産施設)が改良されて、1日に、200個生産できるようになったとする。

その場合、1日に、4時間だけ働いてもらって、1日に100個生産するということを、経営者が選択するかというと、なかなかそういう選択はしない。

売れるなら……これが肝要なんだけど……売れるなら、1日に、8時間働いてもらって、200個生産するようにするのだ。普通の経営者の選択は、労働時間を短くて、いままでとおなじ個数だけ生産してもらうというものではなくて、労働時間をいままでとおなじにして、個数を増やすという選択になる。

製品をつくるときの生産性があがっているのに、労働者の労働時間は短くならない。

さらに、売れるなら、経営者は、労働者に1日12時間、働いてもらって、1日に300個生産しようとする。生産施設の改良によって、生産性があがったのに、労働者の労働時間がのびてしまう。

生産性があがったのに、労働時間が長くなってしまう。

 

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