これ、言っちゃっていいのかどうかわからないけど……。たとえば、Qフォンで一括管理ができるのだ。これは、黒側が目指していたことと、そんなにはかわりがない。もちろん盗み聞きはしないということになっている。けど、すべての人間がQフォンをもつということは、人間に番号をつけて管理することにつながる。
黒側は、人間のからだのなかにその人間につけられたID番号を入れてしまうということを考えた。そして、あろうことか、実行した。これ、夢物語じゃないんだよ。都市伝説じゃないんだよ。これを、夢物語、都市伝説と考えている人は、自分がなにをされたか気がついてない人だ。ともかく、試験的には、数十億の人間に番号をつけてしまったのである。
ピラミッドにひとつの目という図案がなにを象徴していたのか? これは、じつは、一括監視社会を象徴していたのだ。ひとつの目が、階層社会の末端にいたるまで、監視して管理する社会の象徴だ。彼らは、それを目指していたのである。
もうひとつ、彼らが目指していたものがある。それは、世界統一政府だ。もちろん、世界統一政府のてっぺんには、ひとつの目があるのである。言いたいことはなにかというと、黒側が目指していたものを、白側が作り出す可能性があるということだ。悪用しなければいいけど、悪用しないという保証はない。「信じる」しかないのだ。悪用しないということを信じるしかない。
白側の動きも、じつは、世界統一政府にむかっている。人体に埋め込んだりはしないけど、Qフォンをもたせるということは、世界統一政府が末端の人間まで監視・管理する社会につながるおそれがある。まあ、そうならないでほしいけど……。