洗濯物を干すときに、「これは、ちょっと重いかな」と思った。ひさしにねじがついている。そのねじのところに、洗濯物ハンガーをかけるのだけど、ねじの部分が、おちそうなのだ。ひさしの部分に、ひびが入っている。だから、あんまり、重たいものをかけたくない。ところが、昨日、洗濯して、部屋に干してあった布団シーツが、わりと重い。そこで、「シーツだけを、布団ハンガーで、手すりの部分に固定しようかな」と思ったのだ。で、こういうことをすると、失敗することが多い。
こういうことでまよっていたら、「本がおちることを心配して、本を床に置いたのだけど、そうしたら、本をとりに来た配達の人に、誤解された」ということを思い出したの。瞬間的に思い出した。こういう、連想が、つねにあるんだよね。不安な気持ちと、置くという行為の連想だけで、ものすごく細かい、不愉快な記憶を思い出してしまう。これが、何十年前のことでも「ふっ」と思い出してしまうのだ。そのシーンが再生されてしまう。
しかし、あれ、言ってやればよかったな。相手が、これまた、はっきりとは言わなかったんだよね。けど、「どうして待っていてくれなかったのか」「信号でまたされたけど、急いできてやったのに」という気持があったんだよね。相手のほうに……。で、俺は、ほんとうに一分前まで、まってたの!! 言葉の端々を考えると、そういう不満をもったということがわかるという感じだった。これ、微妙なんだよな。いちおう、ぼくが客で、相手は、本の集荷にきたドライバー。けど、安い料金なんだよね。あっちの人にとっては、わりにあわない仕事なんだよ。けど、ぼくが、古本販売のために頑張っていると思って、優先的に急いできてあげたというような感じだったんだよね。それから、この厚さを測る道具があるんだけど、この道具をぼくがもらったんだよね。それは、前の話なんだけど……。その道具はその人が使っていたものを、くれたんだよね。これは、その前の話なんだけどね……。
うーーん。わりと風が強いから、ねじのところ、だいじょうぶかな?
まあ、その腹がたった話は、終わらないけど、もういいや。