いま、カネを持っていても、むかしの自転車のことが、腹が立って、腹が立って、しかたがない。くそ、あのときカネがあれば……。あのときカネがあれば……。そりゃ、もちろん、いまだってカネがなくなったらこまるのだけど、それにしても、ひどかったな。腹が立つ。自転車のことって、自転車をめぐるもめごとのことね。
はら、たつーー。はら、たつわーー。
あんとき、ほんとうに、カネがなくて追いつめられていた。追いつめられていたんだ。
やっぱり、腹が立つ。腹、立つ。あの自転車屋、ほんとうにむかつくな。ちゃんと、なおせ。プロなんだからちゃんと一発でなおせ。ほんとう、いいかげんな修理ばかりしやがって。役に立ってないだろ。ちゃんと、なおせ。何回、行ったと思ってんだよ。バブルとパンクとちゃんと、一発でなおせ。パンクの穴を見つけられなかったのは、自転車屋の問題だろ。近くの自転車屋がつぶれて、そこに行くしかなかったんだよな。距離があるのに……。距離があるのに……。あの、ブタゴリラみたいな自転車屋、ほんとうに頭にくるな。